逆位置のコラム 第10回

タロットの書庫

止まるはずじゃなかった歯車が、逆に回るとき

R: THE WHEEL OF FORTUNE(運命の輪・逆位置)


変わるはずだった。

動き出すと思っていた。

「今度こそ、うまくいく」――

そんな期待が、不意に足元からずれていく感覚。

この《運命の輪・逆位置》は、そうした「流れの逆転」や「タイミングのズレ」を象徴するカードです。


絵柄から見るこのカードの逆位置

運命の輪は本来、チャンスや幸運、変化を象徴するカードです。

けれど逆位置で出てきたとき、その回転は不自然に重く、歯車が噛み合わない印象を与えます。

ガーゴイルのような存在が不機嫌そうに輪の上に座り、

周囲のスフィンクスや動物たちも、それぞれが別の方向を見つめていて、調和を感じません。

ヒビ割れた輪――

それは「止まってしまった運命」や「見えづらくなった次の展開」を映し出しているようです。


紫運の読み:運命を、信じきれないときに

このカードの逆位置が出たとき、私はいつも思います。

「信じたいのに、信じきれないとき」

「動きたいのに、動けないとき」

この2つの“ズレ”が、どこかにあるのだと。

運命の輪は、本来、思いがけない幸運を連れてくるカードです。

でも逆位置になると、それが「タイミングのズレ」や「停滞」に変わってしまうのです。


▼ 自分の話をすると…

チャンスはあったはずなのに、手を伸ばせなかった。

流れが来ていたのに、あと一歩が踏み出せなかった。

……そんな経験、ありますよね。

というか、私がいちばん身に覚えがあります。

  • 良い流れが来ているときほど「もっと大きな流れの前触れかも?」と勝手に待ってしまう
  • 予告もなくコロッと来たチャンスは「チャンス?罠?」と考えているうちに逃す
  • 結局、あとから「やっぱりあれだったんだ〜!」と後悔だけ増える

こういうタイミングの読み違いって、占いで見ておくとすごく助かります。

でも私は、自分を占うのが本当に苦手です。

感情が入ると読めなくなるし、思い込みも強くなりがちなんですよね。

だからこそ、自分のことほど占ってもらう側にまわることを大切にしています。


キーワードまとめ

正位置:

  • 好転
  • チャンス
  • 幸運
  • 運命的な出会い
  • 状況の展開

逆位置:

  • 停滞
  • チャンスを逃す
  • タイミングのズレ
  • 賭けの失敗
  • 空回りの運命

シーン別リーディング

💘 恋愛

  • タイミングがすれ違っている
  • 進展の兆しがつかみにくい
  • いったん見直しのタイミング

💼 仕事

  • 流れが止まっている
  • 外的要因で進まない
  • 焦らず準備に徹すること

🤝 人間関係

  • 誤解が生じやすい
  • 相手のリズムを観察する
  • 自分主導で無理に進めない

今日のまとめ

運命の輪が逆に回るとき、

それは「このまま進んでもうまくいかないよ」というサインかもしれません。

でもそれは、“終わり”や“失敗”ではなくて、

「流れを待つための一時停止」なのです。

今こそ、心を整えながら次の転機に備えるとき。

止まっているようで、運命の輪はきっとまた動き出します。


次回予告

第11回:正義(JUSTICE)の逆位置

正しさの基準が揺れるとき、

あなたの中の“バランス感覚”が問われます。


執筆:晴風 紫運(しうん)

Instagram → https://www.instagram.com/harukazeshiun

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