どっちも正しい、でも選べない
R: JUSTICE(正義・逆位置)
何かを判断しなければいけないとき。
誰かにとって不利にならないように、できるだけ公平に――そう思えば思うほど、
心の中の“天秤”は、どんどん揺れてしまうことがあります。
《正義》のカードが逆位置で出たとき、
そこには「偏り」や「硬さ」、あるいは「決められなさ」の気配がにじんでいます。
■ 絵柄から読み取る「逆位置の正義」
- 傾いた天秤 → 判断のバランスを失っている
- 鈍った剣 → 決断力が迷いに変わる
- 表情 → 納得できないまま判断を下している雰囲気
➡️ 「正しさ」だけを拠りどころにすると、心が疲れてしまうこともあるのです。
■ 紫運の読み:正しさにこだわった自分が、苦しくなるとき
私は、公正さや平等さを大事にするタイプです。
ルールを決める立場になると、なるべく全体が納得できるように、慎重に整えるようにしています。
でも――
そのルールが、自分を一番苦しめることがあるんですよね。
- 自分が決めた「例外は認めない」ルールに、心がぐらつく
- でもそれを曲げると「不公平」になるから、また悩む
- 最終的に、自分が消耗して“去ってしまう”こともある
そして、自分が作ったはずのルールが一人歩きし始めた時、
周囲からの反応にも疲れてしまって……
「これは誰のための正しさだったんだろう」って、わからなくなることがあるんです。
■ 決めることは、切ることじゃない
《正義・逆位置》は、物事を判断しようとするときに「迷い」や「偏り」が出ているサイン。
でも、それは間違いではなく、もうひとつの視点が見えていないだけかもしれません。
- 迷うのは、どちらも大切だから
- 判断できないのは、「傷つけたくない」気持ちがあるから
自分にも、誰かにも、やさしくなれる選択肢があることを、忘れずに。
■ キーワード
正位置:
- 公平
- 正義
- 冷静な判断
- 中立
- バランス感覚
逆位置:
- 偏見・誤解
- 極端な判断
- 融通がきかない
- 自分に都合の良い理屈
- 決められない、責任を回避したくなる
■ シーン別リーディング
💘 恋愛
- 「こうあるべき」が強くなりすぎてギクシャクしがち
- 自分にも相手にも“正しさ”を押しつけてしまっていないか見直してみて
→ 自分の気持ちと、相手の背景。どちらも見つめてみる時間が鍵です
💼 仕事
- ルールや理屈に縛られすぎて、動きが遅くなっている可能性も
→ 「完璧」より「最善」を意識してみると、視界が広がります
🤝 人間関係
- 「普通はこうでしょ?」が、相手を遠ざけてしまうことも
→ 相手の“理由”を尋ねてみることで、天秤のバランスが戻るかもしれません
■ 今日のまとめ
《正義・逆位置》は、「正しさにこだわるあまり、自分自身が苦しくなっている」状態を映し出します。
でも、それは「あなたが間違っている」からではなくて、
「どちらも守りたい気持ちがある」から。
だからこそ、答えを急がなくても大丈夫。
時間をかけてでも、自分らしいバランスを取り戻せたら、
それはきっとあなたにとっての“正義”です。
■ 次回予告
次回は第12回、《吊るされた男(逆位置)》をテーマにお届けします。
努力してるのに進まないとき。
止まっているように見える時間の中にある、
“変化の種”を一緒に探っていきましょう。
📝 書き手:晴風 紫運(しうん)
Instagram → https://www.instagram.com/harukazeshiun