逆位置のコラム 第11回

タロットの書庫

どっちも正しい、でも選べない

R: JUSTICE(正義・逆位置)


何かを判断しなければいけないとき。

誰かにとって不利にならないように、できるだけ公平に――そう思えば思うほど、

心の中の“天秤”は、どんどん揺れてしまうことがあります。

《正義》のカードが逆位置で出たとき、

そこには「偏り」や「硬さ」、あるいは「決められなさ」の気配がにじんでいます。


■ 絵柄から読み取る「逆位置の正義」

  • 傾いた天秤 → 判断のバランスを失っている
  • 鈍った剣 → 決断力が迷いに変わる
  • 表情 → 納得できないまま判断を下している雰囲気

➡️ 「正しさ」だけを拠りどころにすると、心が疲れてしまうこともあるのです。


■ 紫運の読み:正しさにこだわった自分が、苦しくなるとき

私は、公正さや平等さを大事にするタイプです。

ルールを決める立場になると、なるべく全体が納得できるように、慎重に整えるようにしています。

でも――

そのルールが、自分を一番苦しめることがあるんですよね。

  • 自分が決めた「例外は認めない」ルールに、心がぐらつく
  • でもそれを曲げると「不公平」になるから、また悩む
  • 最終的に、自分が消耗して“去ってしまう”こともある

そして、自分が作ったはずのルールが一人歩きし始めた時、

周囲からの反応にも疲れてしまって……

「これは誰のための正しさだったんだろう」って、わからなくなることがあるんです。


■ 決めることは、切ることじゃない

《正義・逆位置》は、物事を判断しようとするときに「迷い」や「偏り」が出ているサイン。

でも、それは間違いではなく、もうひとつの視点が見えていないだけかもしれません。

  • 迷うのは、どちらも大切だから
  • 判断できないのは、「傷つけたくない」気持ちがあるから

自分にも、誰かにも、やさしくなれる選択肢があることを、忘れずに。


■ キーワード

正位置:

  • 公平
  • 正義
  • 冷静な判断
  • 中立
  • バランス感覚

逆位置:

  • 偏見・誤解
  • 極端な判断
  • 融通がきかない
  • 自分に都合の良い理屈
  • 決められない、責任を回避したくなる

■ シーン別リーディング

💘 恋愛

  • 「こうあるべき」が強くなりすぎてギクシャクしがち
  • 自分にも相手にも“正しさ”を押しつけてしまっていないか見直してみて
    → 自分の気持ちと、相手の背景。どちらも見つめてみる時間が鍵です

💼 仕事

  • ルールや理屈に縛られすぎて、動きが遅くなっている可能性も
    → 「完璧」より「最善」を意識してみると、視界が広がります

🤝 人間関係

  • 「普通はこうでしょ?」が、相手を遠ざけてしまうことも
    → 相手の“理由”を尋ねてみることで、天秤のバランスが戻るかもしれません

■ 今日のまとめ

《正義・逆位置》は、「正しさにこだわるあまり、自分自身が苦しくなっている」状態を映し出します。

でも、それは「あなたが間違っている」からではなくて、

「どちらも守りたい気持ちがある」から。

だからこそ、答えを急がなくても大丈夫。

時間をかけてでも、自分らしいバランスを取り戻せたら、

それはきっとあなたにとっての“正義”です。


■ 次回予告

次回は第12回、《吊るされた男(逆位置)》をテーマにお届けします。

努力してるのに進まないとき。

止まっているように見える時間の中にある、

“変化の種”を一緒に探っていきましょう。


📝 書き手:晴風 紫運(しうん)

Instagram → https://www.instagram.com/harukazeshiun

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